さて前回の宣言通り、リリマジ14に出陣します。
「か10 寄道小道。」です。
スマート本も(何も問題が無ければ)新刊が出るはず。
値段はまだちょっと決まってませんが……300円くらいかなと。
中身は真面目ななのはやです。A's一年後のなのはが悶々と色々考えるけど最終的に歩き出す御話……になってるといいな。フェイトちゃんはあまり出てこない……ので色紙にでも描こうかな。
駄犬の遊び心で小説と漫画の一貫バトンリレー形式になってます。
漫画のサンプルは
こちらにてご確認いただければと思います。
小説のサンプルはこの後に隠してありますのでそちらを御覧下さればと。前半丸々のっけてます。
あとは、自宅に在庫が残っていたら、
ストウィチジャンルやまどマギのコピ本だったりオフセ本だったりな既刊を持って行こうと思っています。
今回とらのあなに委託している分をリリマジの方に送ってもらうのすっかり忘れていたので、
このへんとか
あのへんとかの既刊は書店委託の方でお願いします……orz
来たる犬の日11/11のWitches' Leave!4にもサークル出陣が確定しましたので、
もしもまだ在庫が残っていたらそちらに持っていきますが。
WLは、
月見櫓のかみなさん(※正式PN:かみなづきさん)との合作本やら、
一年ネーム状態でリベンジを兼ねたエイリーネとか、あるいはポケパロとか、
なかなか出し物の多そうなストウィチ戦線になりそうです。印刷代あるかなぁ……。
とりあえずストウィチBDが待ちきれません。あとなのは2ndはBDを早急に出すべき。公開終わってないけども。
とりあえず現状報告はそんな感じで。では当日お会いいたしませう。スペースにてまったりしてると思いますゆえ。
サイト引越準備も引き続き、リリカルマジカルがんばるます。ほんとgdgdサイトですみません……。
では続きから新刊の小説パートサンプルをば。
……とうきび食いたい…………。
【いつかわかるそのときまで/小説パート前半】
――レイジングハートが力をくれてる! 泣いてる子を、救ってあげてって!
それは確かに、私の声だった。私の言葉だった。
私の、心からの気持ちだった。
瞼を閉じていてなお、光が射し込んでくる。眩しいそれは、朝を告げるものだった。眩しくて当然だった。
起きあがったところでようやっと目が覚めて、認識する。それは、さっきまでの光景が、夢だったということ。
「…………」
だったら何故。
夢の中だったのに、これほど今の自分の心に重くのしかかってくるのだろう。
自分で言ったはずの言葉だったのに、どうしてこうも悲しいのだろう。
なのはは寝間着のまま、ベッドの上で窓の外の青空を見上げた。
母親が階下から朝食の時間を告げるまで、ずっとずっとそうしていた。
「ふわーぁ……」
「眠そうね、なのは。寝不足?」
「うーん……」
朝の目覚めが良くなかったからからなのか、学校に来て昼休みを過ぎても欠伸は絶えず繰り返し出てきた。座席の関係で私の顔がよく見えるアリサちゃんにはもう、そんな私の状態がバレバレだったから、怪訝な顔をしているのが彼女の顔を見なくてもわかる。他のみんなも珍しいなぁと思っているのがひしひしと伝わってきた。
けれども午後のぽかぽかした日差しの誘惑に負けそうになっている私は、アリサちゃんの問いかけにすらろくに答えを返せないまま午後の授業を迎えた。
今日の午後は社会の時間。先生が黒板に文字を書いている音と教室全体の静けさを背景に、私は窓の外をそっと見やる。
あの夢の時期よりもう少し進んだ先。
私たちは、小学五年生へと進級していた。
私が初めて魔法と出会ってから二年が経った今も、私は魔法の扱いをしっかりと練習している。それはフェイトちゃんもはやてちゃんも同様で、フェイトちゃんの近接戦闘技術はさらに磨きがかかっているし、はやてちゃんは目まぐるしいほど成長が早い。だからみんなで魔法の練習をすることが楽しくて、これからどう変わっていくのかも楽しみなはず――なんだけど。
ちら、と斜め前の席を見る。すぐ近くのその座席は、今日は誰も座っていないけれど、いつもは、太陽の光をきらきらと反射して綺麗に輝く金髪のあの子がいるはずの座席。
今日のフェイトちゃんは風邪を引いてしまったらしいのでお休み。だからいつもの五人は、いつもの四人になっていた。それもあったからだろう。なんとなく、今のしっくりこない気持ちを外に出すことが余計に億劫になってしまった気がした。
フェイトちゃんに、聞いてみたかったんだけどなぁ。
難しい、答えの出づらい問いかけだっていうのもわかっていた。でも、フェイトちゃんはあのときのこと、今ならどう思ってるの、と一言聞いてみたかった。
あの日、今朝がた夢で見たあの日を、友達とその家族を助けたいという想いを掲げて私と同じ目線で見ていたのは、きっとフェイトちゃんだけだっただろうから。
◆ ◆ ◆
「お前たちにも、いずれわかる。海よりも深く愛する者ができたならな」
あの晩、リインフォースさんはそう笑って、空へと還っていった。
最後には、笑っていた。泣いていなかったということは、救えたのかなとも考えられたかもしれない。でも、私はあまりそんな気がしなかった。
だって、はやてちゃんが。
リインフォースさんを止められなくて、目の前で彼女が空に還っていくさまをその目に焼き付けたはやてちゃんが。
ヴィータちゃんたちが時空管理局の本局に出かけたその後に招かれた広くて大きなはやてちゃんの家のリビングで、あの子の泣き虫ももろてもうたんかな、と目尻の涙を拭ったはやてちゃんが。
泣いてもいいと思うよってフェイトちゃんが言って、私達がついてるって私が言ったら。
声を上げて、泣いたんだ。大切な騎士(かぞく)たちには見えないところで、あんなに泣いていたんだ。
「友達に、なりたいんだ」
初めて魔法に触れたあの年。冬の別れからさらに半年前の、春の日。
友達になろうって言って何度も何度も、ずっとずっと、手を伸ばし続けていたら、悲しいこともあったけど、フェイトちゃんは笑ってくれた。
「永遠なんて、無いよ……」
悲しみを終わらせてみせるって必死に叫んだら、リインフォースさんも、最後には笑ってくれた。
でも、はやてちゃんは。
みんなの前では笑っていたけれど、やっぱりあの時のはやてちゃんは。
◆ ◆ ◆
瞼を開く。まだ少し夕焼けに遠い、お昼を過ぎた空の色が飛び込んできた。
午後の授業も乗り切って、なんとか帰りのホームルームを済ませた私は、アリサちゃんやすずかちゃんが掃除当番だったことを思い出して、掃除が始まったタイミングで教室を抜け出してきたのだった。鞄を持ってやってきたのは、この、さっきもお昼休みにみんなで来ていた、馴染みのある屋上。
朝から一貫してだけど、今日はいつも以上に、空を、風を、感じていたかった。だから私は、誰もいない屋上でひとり、風を感じて、空を眺めた。
下を見れば、次々に下校していく生徒たちが見える。あれは知っている後ろ姿、そっちは知らない後ろ姿。あの子とその隣を歩いてる子はいつも一緒にいるよね。あっちの子は見かけない顔だけど三人組なのかなぁ。
頭の中で次々に思い浮かんでいく言葉を、今日の私はほとんど口に出さないでいる。声にのせることが少し億劫だったからだ。どうしてそう思ったかはわからない。
でも、誰かと話すことで外に出してみたいなとも、思っていた。
外に出してあげたいな、とも。
「海よりも深く、かぁ」
あの願いは、この空よりも高く、遠く、そして深かったのだろうか――なんてことをぼんやりと考える。
あの一連のやりとりを省みて、自分を見つめ直す良い機会なのかもしれない。夢を見たということはきっとそういうことなんだ。意味のないことなんて無いんだから。
じゃあ、どう答えを出せばいいのだろう。私は考え込む。
堂々巡りを始める思考の一方で薄々感づいていた。たぶん、この結論では私ひとりでは出すことができない。誰かとの会話の中にしかヒントが無いんだよね、と思った。
「じゃあ、誰に?」
頭の中のことを外に出さない分だけ、まるで反比例しているみたいに、独り言が増えていく。
魔法の存在を知っているのはいつもの四人。
事件として関わったあの日々を、実際に、一緒に触れていたのは、あの二人。
「うーん」
誰かと話しておきたい。でも相手は限られる。
そして、心のどこかでは、珍しくやっぱり一歩踏み出せないでいる自分もいて。
「決まらないなぁ」
その言葉には、半分嘘を混ぜ込んだ。
フェイトちゃんは今日風邪を引いた。ならば、相手は一人に絞られるはずだったから。
でも、彼女はどんな顔をするのだろう。どんな気持ちでいるのだろう。どんな答えをもっているのだろう。
ある意味、一番聞きづらい相手でもあった。
「…………」
やっぱりまた今度にしたい。決着はそういう形で決まった。
それと、風邪を引いたフェイトちゃんみたいに、私も今日は魔法の練習はお休みしたほうがいいのかもしれない。このまま始めても練習に集中できないことはわかりきってることだもん。だとするとこの後家に帰ったら何しようかなぁ。そうだよね、そろそろ帰らなきゃ。半ば無理矢理にそんなことを考え始めたときだった。
「なのはちゃん?」
馴染みのある、耳に心地良いほわっとした声が、したんだ。
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